Void4 Void-4

壊れてしまった植木鉢
時すらも見捨てた時間の中で、
カケラを拾う決断もできず
掃き棄てることもできず
散らばった破片を眺める

でもあまりにも長いこと
そうやって放っておいたので、
いつかそれになれてしまって
破片がいつの間にか、
そこを通る人の足を
植木鉢に植わっていた花を
傷つけていることにすら
気づかないシアワセな自分

指先から流れる赤黒いものは
なんだろう
庭を埋めたててしまえば
なくなるだろうか。

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