Void-3 Void-3

誰も来ない場所で、
誰にも見られない場所で、
小さく呟かれる言葉。
誰にも言えない言葉で
誰かに言いたい言葉
それは私でない私の言葉
私である私の言葉

誰にも聞かれたくない!
その叫びは多分、誰かに聞かれたいのだろう。
だが、叫びを発すれば世界は崩壊する。
偽りの光の中で、
絶叫を理性という薄っぺらい皮膚でくるみ、
けれど本当は少しずつ、自らの狂った翼で
世界をこそげ落としていくのだ
一瞬か、それともだらだらとか
どちらにせよもし最終的に滅ぶのならば、
何が違うというのか。

それでも、
1秒でも、偽りの光の中でも
それが続くのなら、
コウモリははばたくのだろう。

Novels INDEX